はじめに
この文書は、2022年の制度改正により廃止された年金手帳に代わる「基礎年金番号通知書(以下、通知書)」の概要と、入社時に求められる書類の扱い方をやさしくまとめたものです。
対象はこれから入社する方や人事担当者です。年金手帳が廃止された背景や、入社時に年金関係の書類をどう準備すればよいかを順を追って説明します。
本章でのポイント
- 本書の目的:通知書や年金関係書類の扱い方を分かりやすく伝えること
- 想定読者:求職者・新入社員・人事担当者
- 以降の章構成:
- 第2章:年金手帳の廃止と入社時ルールの変化
- 第3章:入社時に提出するのは原本かコピーか
- 第4章:「写し」と「コピー」の違い
- 第5章:通知書の記載内容と取得方法
- 第6章:年金手帳を紛失したときの対応
読み進めることで、入社手続きで迷わずに必要書類を用意できるようになります。分からない点があれば、章ごとに確認してください。
年金手帳は2022年に廃止!入社時の提出ルールが変わった
背景と何が変わったのか
2022年4月以降、年金手帳の新規発行が廃止され、基礎年金番号通知書に置き換わりました。これにより、入社時に年金手帳の原本を提出する必要は基本的になくなりました。廃止の目的は発行コストの削減と紛失リスクの低減です。
入社手続きでの具体的な変更点
- 会社側は原本ではなく、基礎年金番号が確認できる書類(通知書の写しなど)を求めることが増えます。
- 既に年金手帳を持っている方は、そのまま保管して問題ありません。企業が書類を求めた場合は「写し」を出せば十分なことが多いです。
社員と企業が注意すること
- 採用時の書類について不明な点があれば、事前に人事へ確認してください。企業によって運用が異なる場合があります。
- 手続きが簡略化される一方で、基礎年金番号の確認方法を用意しておくとスムーズです。
新しい運用により手続きの負担が軽くなりました。入社前に必要書類を確認しておくと安心です。
入社時に提出するのは「原本」ではなく「コピー」で十分
概要
企業が年金手帳の提出を求めても、原本を長期間預ける義務はありません。基礎年金番号の確認は、年金手帳のコピーや番号を記したメモで済むことが多いです。
なぜ原本が不要なのか
手続きで必要なのは「番号の確認」です。番号が分かれば年金事務手続きは進みます。原本を預ける必要は法律上ほとんどなく、多くの会社はコピーで対応します。
提出できる書類・方法
- コピー(コピー機での複写)
- スマホで撮った写真(鮮明で番号が読めること)
- メモに基礎年金番号を記載した書面
電子データの添付やメール送付で受け取る会社もあります。
原本を求められたら
提出を求められたら、理由を尋ねてください。業務上や法令上の必要があるかどうか確認します。問題がなければ、その場で原本を確認してすぐ返してもらう方法もあります。
個人情報保護の注意点
年金手帳には重要な個人番号が記載されています。コピーを渡す際は、誰がどのように管理するかを確認してください。不安があれば、勤務開始後に人事担当者と保管方法を相談しましょう。
「年金手帳の写し」と「コピー」の違いを理解する
用語の違い
「写し」と「コピー」は日常では似ていますが、職場で求められる意味が異なります。一般的に「写し」は基礎年金番号通知書(再発行された書類)を指します。一方で「コピー」は昔の年金手帳をそのまま複写したものです。
実務での扱い
- 2022年4月以降、入社時に提出するのは「年金手帳のコピー」か「基礎年金番号通知書(再交付)」のどちらかです。会社はどちらか一方で番号を確認します。
- 年金手帳のコピーはコンビニのコピー機で簡単に作れます。片面だけで番号が分かる場合はそのページを、複数ページに分かれる場合は番号が記載された面すべてを写してください。
通知書(写し)の取得について
- 基礎年金番号通知書は本人確認が必要な書類です。年金事務所やオンライン手続きで再交付を申請します。コンビニで新たに取得することはできません。
- 再交付には身分証明書やマイナンバーの確認が必要な場合があります。申請方法や必要書類は事前に確認してください。
実務上の注意点
- 会社が求める書類を事前に確認してください。どちらでも可なのか、どちらか一方のみなのかで対応が変わります。
- デジタル提出(PDF等)を求められる場合もあります。スキャンやスマホで撮影した画像が許容されるか確認してください。
具体的には、年金番号を正しく確認できれば問題ありません。分からない点は所属先の総務や年金事務所に問い合わせると安心です。
基礎年金番号通知書の記載内容と取得方法
記載内容
基礎年金番号通知書には次の項目が記載されています。
- 基礎年金番号:一人ひとりに割り当てられる番号です。年金の手続きで必要になります。
- 氏名:戸籍や住民票と同じ表記が使われます。
- 生年月日:年金記録の照合で使います。
- 交付年月日:その通知書が発行された日付です。
これらは入社手続きや年金の請求で参照します。紛失すると手続きが遅れるため、大切に保管してください。
取得できる窓口と方法
基礎年金番号通知書は次の窓口で取得できます。
- 年金事務所:窓口で申請すれば、本人確認ができれば即日交付されることが多いです。
- 街角の年金相談センター:小さな窓口で相談と交付が受けられます。施設によって即日対応の可否が異なります。
- 市区町村役場の国民年金担当窓口:国民年金の窓口でも手続きできます。曜日や時間に注意してください。
即日交付が難しい場合は郵送で受け取れます。窓口に行けないときは郵送請求や代理人による申請も可能です。
持ち物と手続きの流れ
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)
- 申請書(窓口で記入します)
窓口で申請→本人確認→交付または郵送手続き、という流れが一般的です。代理申請の場合は委任状や代理人の本人確認書類が必要になります。
注意点
- 手数料は原則不要です。
- 番号は重要情報です。写真やコピーを必要最小限にして、管理に注意してください。
- 会社への提出はコピーで十分な場合が多いです。原本は普段は保管しておいてください。
必要な場合は事前に最寄りの年金事務所に電話で確認すると安心です。
年金手帳を紛失した場合の対応方法
再交付はできませんが代わりの書類を申請できます
年金手帳自体は2022年に廃止されているため、年金手帳そのものの再交付はできません。したがって、紛失時は基礎年金番号を記載した「基礎年金番号通知書」の再交付(通知書の再発行)を申請します。再発行で基礎年金番号を確認できます。
申請窓口
- 年金事務所(日本年金機構)
- お住まいの市区町村の国民年金窓口
- 郵送による申請も可能です(窓口が遠い場合などに便利です)
必要書類(一般例)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)
- 再交付(再発行)申請書(窓口または年金機構のサイトで入手)
- 郵送申請の場合は、マイナンバーカードのコピーを添付することが求められます。
窓口で不明な点があれば、事前に電話で確認してください。
申請の手順(簡単な流れ)
- 必要書類を準備する。印鑑があるとスムーズな場合があります。
- 窓口へ行くか、郵送で申請書を送る。窓口では係員が本人確認を行います。
- 再発行された通知書が届くのを待つ(通常、数日から数週間程度)。
受け取り後と注意点
- 再発行された基礎年金番号通知書は、勤務先や公的手続きで番号を示す際に使えます。
- 個人情報を含む書類なので、到着後は大切に保管してください。
すぐにできる対応
- 勤務先から年金手帳の写しを求められた場合は、基礎年金番号通知書やマイナンバーカードのコピーで代用できるか確認してください。
- 心配な場合は年金事務所へ相談すると、案内してもらえます。


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