源泉徴収票を偽造すると何の罪になる?提出・使用や融資で問われる罪を解説

目次

はじめに

「源泉徴収票を偽造して提出したら、何の罪になるの?」
「融資の審査で収入を多く見せるために偽造した場合、逮捕されたり処罰されたりする?」と不安になっていませんか。

転職先への提出や住宅ローンなどの融資申込みで源泉徴収票が必要になり、実際の年収や勤務先とは違う内容に書き換えた書類を使おうと考えていると、どこまでが犯罪にあたるのか分からず迷ってしまいますよね。

この記事では、源泉徴収票の偽造や提出・使用によって問われる可能性がある罪、融資で使用した場合の問題、偽造に気づいたときの対応について、順を追って説明していきます。

源泉徴収票を偽造すると罪に問われる可能性がある?

源泉徴収票を偽造した場合、「書類を作っただけでも罪になる?」「源泉徴収票は公文書だから重い罪になるの?」と疑問に感じることがあります。

ここでは、源泉徴収票の偽造で問題となる私文書偽造等の罪、源泉徴収票を公文書と一律に扱えない理由、偽造しただけの場合と実際に使用した場合の違いについて順を追って説明します。

源泉徴収票の偽造では私文書偽造等の罪が問題になる

源泉徴収票を作成する権限のない人が、勤務先が作成したように装って偽造・改ざんすると、私文書偽造等の罪が問題になる可能性があります。

給与額や源泉徴収税額などを書き換え、正規の書類であるように見せる行為は避けなければなりません。

源泉徴収票を一律に「公文書」と考えるのは正確ではない

源泉徴収票は税務上使用する書類ですが、税務署などの公務所が作成する公文書ではありません。

一般的には勤務先が給与額や源泉徴収税額などを記載して作成するため、偽造した場合は私文書偽造等の罪が問題になる可能性があります。

偽造しただけの場合と実際に使用した場合では問題になる罪が異なる

源泉徴収票を偽造する行為と、偽造した書類を実際に使用する行為は分けて考える必要があります。

偽造した源泉徴収票を勤務先や金融機関などへ本物として提出すると、偽造私文書等行使の罪が問題になる可能性があります。

偽造した源泉徴収票は提出先によって問題になる罪が変わる

偽造した源泉徴収票を「どこに提出しても同じ罪になるの?」「税務署や金融機関、賃貸会社に出した場合で違いはある?」と疑問に感じることがあります。

ここでは、税務申告や行政手続き、金融機関への融資申込み、賃貸審査など、それぞれの提出先でどのような点が問題になるのかを順を追って説明します。

税務申告や行政手続きに偽造した源泉徴収票を使用した場合

税務申告や行政手続きで偽造した源泉徴収票を本物として提出すると、偽造私文書等行使の罪が問題になる可能性があります。

また、偽造によって所得や税額について事実と異なる申告をし、税金を免れるなどの結果が生じた場合は、別の犯罪が成立する可能性もあります。

金融機関に提出して融資を申し込んだ場合

金融機関に偽造した源泉徴収票を提出し、実際より高い年収があるように見せて融資を申し込むと、偽造私文書等行使に加えて、詐欺罪が問題になる可能性があります。

実際に融資を受けたかどうかなど、具体的な状況によって成立する犯罪が異なる場合があります。

住宅ローンの審査では、源泉徴収票の内容をどこまで確認されるのか気になる方もいるでしょう。
▶住宅ローン審査で源泉徴収票はどこまで確認される?年収・勤務先のチェック項目を解説

賃貸審査など民間の審査に提出した場合

賃貸審査などで偽造した源泉徴収票を提出し、実際より高い収入があるように見せると、偽造私文書等行使の罪が問題になる可能性があります。

さらに、偽造した書類によって相手をだまし、契約や利益を得た場合は、詐欺罪が問題になることもあります。

偽造した源泉徴収票で融資を受けると詐欺罪に問われる可能性がある

偽造した源泉徴収票を使って「実際より収入を多く見せて融資を受けたら、詐欺罪になる?」「融資を断られた場合でも罪に問われることはある?」と不安になることがあります。

ここでは、偽造した源泉徴収票を使って実際に融資を受けた場合と、融資を受けられなかった場合に分けて、どのような点が問題になるのかを順を追って説明します。

偽造書類を使って融資を受けた場合は詐欺罪も問題になる

偽造した源泉徴収票を金融機関に提出し、実際より高い収入があると信じさせて融資を受けると、偽造私文書等行使だけでなく、詐欺罪も問題になる可能性があります。

偽造した書類の内容を金融機関が信用し、その結果として融資を受けた場合は、詐欺にあたるかどうかも含めて判断されます。

融資を受けられなかった場合でも問題がなくなるとは限らない

審査の途中で偽造が発覚し、融資を受けられなかった場合でも、問題がなくなるとは限りません。

融資が実行されていなくても、偽造した源泉徴収票を本物として提出すれば偽造私文書等行使が問題となり、状況によっては詐欺未遂についても検討される可能性があります。

源泉徴収票を誰が偽造したかによって考えるべき点が変わる

源泉徴収票の内容が事実と違っている場合、「本人が書き換えた場合と会社が作成した場合で責任は変わる?」「第三者に偽造を頼んだ場合はどうなる?」と疑問に感じることがあります。

ここでは、本人が勤務先の源泉徴収票を偽造・改ざんした場合、会社側が虚偽の内容を記載した場合、第三者へ偽造を依頼した場合について、どの点が問題になるのかを順を追って説明します。

本人が勤務先の源泉徴収票を偽造・改ざんした場合

本人が勤務先から交付された源泉徴収票の給与額や源泉徴収税額などを書き換え、正規の書類であるように装うと、私文書偽造等の罪が問題になる可能性があります。

さらに、偽造・改ざんした源泉徴収票を本物として提出した場合は、偽造私文書等行使の罪も問題になることがあります。

源泉徴収票の内容に誤りがあるだけなら、偽造せず勤務先へ訂正や再発行を依頼することが大切です。
▶源泉徴収票の内容が間違っているときはどうする?訂正・再発行の方法を解説

会社側が虚偽の内容を記載した源泉徴収票を作成した場合

会社側が実際とは異なる給与額や源泉徴収税額などを記載した場合は、誰がどのような権限や目的で作成したのかによって法的責任が変わります。

そのため、虚偽の内容を記載しただけで、本人による源泉徴収票の偽造と同じ犯罪が成立するとは限りません。

第三者に源泉徴収票の偽造を依頼した場合

第三者に源泉徴収票の偽造を依頼した場合は、実際に作成した人だけでなく、依頼した人も関与の程度によって刑事責任が問題になる可能性があります。

さらに、作成された偽造書類を本物として提出すれば、偽造私文書等行使の罪も問題になることがあります。

偽造した源泉徴収票をすでに提出してしまった場合の対応

偽造した源泉徴収票をすでに提出してしまい、「このあと何をすればいい?」「提出したことを隠すために書類やデータを消したほうがいい?」と不安になっている方もいるでしょう。

ここでは、提出後に避けるべき対応と、提出先や偽造・使用の経緯を整理したうえで弁護士などへ相談する方法について順を追って説明します。

証拠を消したり新たな虚偽説明を重ねたりしない

偽造した源泉徴収票を提出したあとに、関連するデータやメッセージを削除したり、事実と異なる説明を重ねたりすることは避けましょう。

後から証拠を消したり説明を変えたりすると、事実関係を正確に確認しにくくなり、状況がさらに複雑になる可能性があります。

提出先と偽造・使用の経緯を整理して弁護士などへ相談する

源泉徴収票を提出した相手や日時、偽造・改ざんした内容、提出までの経緯などを整理し、関連する資料はそのまま保管しておきましょう。

そのうえで刑事事件を扱う弁護士などへ事実関係を伝えて相談すると、今後どのように対応すべきか具体的な助言を受けやすくなります。

源泉徴収票の偽造が発覚するきっかけや、勤務先へ確認される可能性が気になる方もいるでしょう。
▶源泉徴収票の偽造はバレる?発覚する主なきっかけと確認される内容を解説

まとめ

源泉徴収票の偽造や改ざんは、作成方法や使用目的によって、私文書偽造等や偽造私文書等行使、詐欺罪などが問題になる可能性があります。

特に、偽造した書類を本物として提出・使用すると、さらに問題が広がることもあるため注意が必要です。

すでに提出してしまった場合は、関連するデータを削除したり虚偽の説明を重ねたりせず、まずは経緯を整理しておきましょう。

判断に迷う場合は資料を保管したうえで、刑事事件を扱う弁護士などへ早めに相談することをおすすめします。

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