はじめに
本書の目的
この文書は、源泉徴収票(給与支払者が発行する年間の所得証明書)の受け取り先や手続きを、立場ごとに分かりやすく解説することを目的としています。勤務中・退職後・パート・アルバイト・紛失時・再発行・電子交付など、よくある場面ごとに具体的な手順を示します。
源泉徴収票とは誰が発行するか
源泉徴収票は、原則として勤務先の給与計算担当部署や総務・人事が発行します。会社には発行する義務があり、従業員は発行を受ける権利があります。公的機関(税務署)が通常個人へ直接発行することはありません。
このシリーズの構成と読み方
各章で「どこで」「誰に」「どのように頼むか」を順に説明します。第2章からは発行窓口の基本、第3章以降で在職中・退職後・紛失時・電子交付それぞれの具体的手順を扱います。必要に応じて、会社に連絡する際の例文や再発行の手順も提示します。まずは第2章へお進みください。
源泉徴収票はそもそもどこで発行されるのか?
発行する主な部署
源泉徴収票は、勤務先の給与計算を担う部署が作成・交付します。具体例としては人事部、総務部、経理部、または給与・労務を担当する事務が窓口になります。中小企業では担当者が兼務していることもあります。
支店や複数拠点がある場合
本社で一括して作成する会社もあれば、各支店や事業所で発行する場合もあります。勤務先が複数あるときは、その勤務先ごとに源泉徴収票が発行されます。
外部に委託しているケース
給与計算を社外の給与計算代行会社に委託している場合、代行先が作成して会社へ渡します。交付自体は会社の責任なので、会社が最終的に従業員へ渡す窓口になります。
個人事業主やフリーランスの場合
源泉徴収票は給与支払を受ける従業員向けの書類です。業務委託で報酬を受けるフリーランスには、源泉徴収が行われた場合に支払者が発行します。ただし、委託先が支払調書を用いることもあります。
法的な位置づけ
会社には源泉徴収票を作成・交付する法的義務があります。発行場所がわからないときは、まず人事・総務・経理に問い合わせると確実です。
在職中の場合「源泉徴収票はどこでもらう?」
誰がもらえるか
在職中の正社員・契約社員・パート・アルバイトは、現在勤めている会社から源泉徴収票を受け取ります。給与を受け取っている限り、雇用形態にかかわらず交付の対象です。
いつもらえるか
年末調整を行う会社では、年末調整の結果が確定した後に交付されます。会社は翌年1月31日までに交付する義務がありますので、それまでに届かない場合は確認してください。
どのようにもらえるか
多くの会社は紙で手渡しや郵送で交付します。最近は電子交付(Web)を導入する会社もありますが、電子で受け取る場合は事前の同意が必要です。
受け取ったら確認するポイント
- 支払者(会社名)と所在地が正しいか
- 支払金額(給与等の支払金額)と源泉徴収税額が合っているか
もし誤りがあれば、速やかに人事・給与担当に連絡してください。
届かない・問題がある場合
交付期限を過ぎても届かない、または内容に不備がある場合は、まず勤務先の人事・給与担当に問い合わせましょう。対応してもらえない場合は最寄りの税務署に相談することもできます。
退職した場合「源泉徴収票はどこに頼む?」
退職後はどこに頼むか
退職後は前職の総務・人事・経理など、給与を扱う部署に発行を依頼します。退職時にその場で交付されることもありますし、後日郵送で届く場合もあります。交付は原則として退職日から1か月以内が法律上の期限です。
具体的な依頼方法
- まず電話やメールで担当部署に連絡し、源泉徴収票の送付を依頼します。
- 住所や氏名、退職日、連絡先を正確に伝えてください。例えば「退職日:2025年3月31日、送付先:東京都○○区…」と伝えます。
- 可能なら依頼は書面(メール含む)で残し、送付日や担当者名を控えます。
会社が交付しない・連絡が取れない場合
会社が交付しない、または連絡が取れないときは、管轄の税務署に相談してください。税務署へは「源泉徴収票不交付届」を提出して相談します。税務署は必要な手続きや対応方法を案内してくれます。
注意点
- 郵送を依頼する際は本人確認や封筒の扱いに注意してください。
- 退職後すぐに必要書類がある場合は早めに依頼すると安心です。
紛失・再発行の場合はどこで発行してもらう?
再発行は可能ですか?
源泉徴収票を紛失しても、原則として再発行は可能です。会社側に給与台帳や発行記録が残っているため、給与担当部署が対応します。
在職中の依頼先
在職中はまず給与・人事・総務などの給与担当部署に依頼します。電話やメール、社内チャットで「源泉徴収票の再発行」を伝え、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を求められたら準備してください。
退職後の依頼先
退職後は前の勤務先に連絡します。会社に出向けない場合は郵送やメールで申請することが多いです。会社が閉鎖・解散しているときは対応できない場合があり、その場合は税務署に相談してください。
再発行にかかる時間と受け取り方法
再発行には数日〜数週間かかることが一般的です。繁忙期や担当者不在でさらに時間を要することがあります。在職中は手渡し、退職者は郵送で受け取ることが多いので、宛先を正確に伝えてください。
依頼するときのポイント
- 提出期限(確定申告など)に余裕を持って依頼する
- 本人確認書類や必要な情報(在籍期間、個人番号の一部など)を準備する
- 会社で対応できない場合は税務署に相談する
源泉徴収票の発行時期と法律上の期限
発行時期(在職者分)
在職者の源泉徴収票は、年末調整が終わったあとに会社が作成します。一般に12月の年末調整後から翌年1月ごろに配布されます。たとえば年末調整を12月中に実施した会社は、12月末から1月上旬に従業員へ渡すことが多いです。
法律上の交付期限(在職者)
税法では、前年分の給与について翌年1月31日までに交付することが定められています。年明けになっても届かない場合は、勤務先の総務・人事に確認してください。
退職者分の取り扱い
退職者については、退職日から1か月以内に交付する義務があります。たとえば3月15日に退職した場合は4月15日までに渡されるべきです。会社が退職時に渡すのを忘れたら、請求して受け取ってください。
注意点と対処法
期限を過ぎても受け取れないときは、まず勤務先へ連絡します。それでも解決しない場合は税務署に相談できます。源泉徴収票は確定申告や住宅ローンの手続きでも必要になる重要書類ですので、大切に保管してください。
会社以外から源泉徴収票はもらえるのか?
結論
源泉徴収票を発行・交付する義務があるのは、給与を支払った会社だけです。税務署、市区町村、年金事務所などが本人に代わって源泉徴収票を発行することはありません。
税務署・市区町村・年金事務所の役割
税務署は会社が源泉徴収票を交付しないときの窓口として「不交付届」を受け付け、会社への指導や確認を行います。市区町村は住民税のために会社から給与支払報告書を受け取りますが、源泉徴収票そのものを交付する窓口ではありません。年金事務所は年金に関する手続きを担当し、源泉徴収票は扱いません。
交付がない場合の対応
まず会社の総務や人事に再度請求してください。それでも交付されない場合は最寄りの税務署に相談し、不交付届の提出方法や会社への指導を依頼します。会社が倒産・解散して連絡が取れないときも、税務署に相談すると手続きの助言を受けられます。
準備しておくとよいもの
給与明細や銀行振込の履歴、雇用契約書など、収入を示せる書類を手元に用意してください。税務署に相談する際、証拠となって早く対応が進みます。
電子交付(Web)で受け取る場合はどこで確認する?
近年、源泉徴収票は電子データで交付されることが増えています。電子交付を受ける際の確認場所と手順を、分かりやすくまとめます。
確認する主な場所
- 人事・給与システム(社内ポータルや給与システム):多くの会社はここにPDFを置きます。ユーザーIDでログインして確認します。
- Web明細サービス:外部サービスを使う会社もあります。ログイン後に「年末調整」や「源泉徴収票」メニューからダウンロードできます。
- メール配信:ダウンロード用のリンクや添付ファイルで届く場合があります。社内の案内メールを確認してください。
受け取り手順(簡単な流れ)
- 会社からの電子交付に関する同意(承諾)が必要です。案内に従って同意手続きを行ってください。
- 指定のシステムにログインします。
- 「源泉徴収票」や「年末調整」などのメニューを開き、PDFをダウンロードします。
- ダウンロードしたPDFを保存し、必要なら印刷して保管します。確定申告で使う場合は印刷しておくと安心です。
- 内容(氏名・支払金額・税額・発行者)が正しいか確認します。
アクセスできない・紛失した場合
ログインできない、ファイルが見つからないときは給与担当部署や総務に連絡してください。紙での再発行や再ダウンロードの手順を案内してくれます。システム障害がある場合でも、会社側が適切に対応する義務があります。
注意点
- 個人情報を含むため、ダウンロード後は安全な場所に保存してください。
- 紙での提出が必要な場合は、印刷しておくと手続きがスムーズです。
- 発行主体は変わらず会社の給与担当部署です。会社からの案内を確認して手順に従ってください。


コメント