はじめに
背景
本資料は、源泉徴収票を従業員や退職者に渡す際の実務についてまとめたものです。配送方法や送付時期、法的な注意点、添え状(送付状)の書き方、そして年末調整書類の郵送方法まで、実践的に解説します。
目的
必要な手続きをわかりやすく整理し、現場で迷わず対応できるようにすることが目的です。具体例を交えて、担当者が取るべき行動や注意点を示します。
対象読者
人事・総務担当者、経理担当者、または個人で源泉徴収票の受け渡し方法を知りたい方を想定しています。
本資料の構成と使い方
各章で「何を」「いつ」「どのように」行うかを順を追って説明します。第2章は配送方法と時期、第3章は送付状、第4章は年末調整書類の郵送方法です。現場で使えるチェックリストやよくある質問も掲載します。
注意点
業務の実務に重点を置いています。法的な細部や最新の制度改正が必要な場合は、別途専門家に確認してください。
源泉徴収票の配送方法と時期
法令上の期限と実務上の時期
源泉徴収票は法令で翌年1月31日までに従業員へ交付する義務があります。実務では12月末から1月中旬に渡すことが多く、年末調整の結果を反映して早めに準備する会社が増えています。
令和6年分の送付スケジュール(例)
令和6年分については、はがきでの順次送付が1月8日から16日にかけて行われます。電子データはマイナポータルで1月7日から10日に送付されます。電子と紙の両方を使う場合は送付日を明確にして混乱を防ぎます。
配送方法の種類と注意点
一般的には郵送が多いです。本人の同意があればPDFなどの電子データをメールや専用ポータルで送付できます。電子送付ではパスワード付与や暗号化などで安全対策を行ってください。宛先不明で返送された場合は速やかに再送するか、従業員に連絡して受け取り方法を確認します。
再交付の方法と開始時期
再交付申請は1月7日から受け付けるケースが多く、郵送、電子送付、窓口での受け取りなど複数の方法があります。再交付の手順や手数料を事前に案内しておくとスムーズです。
源泉徴収票送付時の送付状について
源泉徴収票を郵送する際、送付状を添えるのはビジネスマナーです。送付状があると受け取る側が内容を把握しやすく、問い合わせも円滑になります。以下に、書くべき項目と書き方のポイントを具体例とともに説明します。
送付状の役割
送付状は書類の「送り状」として、送付日や差出人、同封物を明確にします。受領確認や質問の窓口を明確にするため、簡潔に記載してください。
送付状に記載する主な項目(例つき)
- 送付年月日:例)2025年1月31日
- 宛先:会社名・部署名・担当者名(例:株式会社〇〇 総務部 山田 太郎 様)
- 差出人情報:会社名、部署、氏名、住所、電話番号、メールアドレス
- タイトル:例)「源泉徴収票送付のご案内」
- 挨拶文:簡潔に(例)「いつもお世話になっております。下記の通り送付いたします。」
- 本文:同封物の説明と受領依頼(例)「同封の源泉徴収票をご確認いただき、到着のご連絡をいただけますと幸いです。」
- 送付内容欄:同封物を箇条書き(例)「源泉徴収票 1通」
- 署名:会社名・所属・氏名・捺印(必要時)
封筒の書き方と連絡先
封筒の表に宛先を中央に、大きく正確に記入します。差出人は左上か裏面に記載し、電話番号やメールも添えてください。手書きは読みやすく、可能なら印刷した宛名ラベルを使うと丁寧です。個人情報保護のため、外から中身が分かるような表記は避けます(例:「源泉徴収票在中」とは記載せず、部署名のみ記載)。
送付時の注意点
同封物のコピーを控えとして残し、発送記録(発送日・方法・追跡番号)を保存してください。重要書類なので、追跡可能な配送方法や簡易書留の利用を検討すると安心です。到着確認はメールや電話で依頼すると連絡がスムーズになります。
年末調整書類の郵送方法
送付できる書類
年末調整に関する郵送書類は、源泉徴収票のほかに支払調書、法定調書合計表、給与支払報告書などが該当します。提出先や必要部数は書類ごとに異なるため、事前に確認してください。
郵送前の準備(チェックリスト)
- 必要書類がすべてそろっているか確認する
- 署名や押印が必要な箇所に漏れがないか確認する
- 控えを1部保存する(コピーやPDFで保管)
封筒と宛名の書き方
- 重要書類は「簡易書留」や「書留」で送ると安心です。追跡番号で到着確認ができます
- 封筒はA4書類なら角2封筒を使うと折らずに入ります
- 宛名は税務署名と担当部署(例:〇〇税務署 納税課)を正確に書き、差出人の連絡先も明記してください
送付後の対応
- 追跡で配達状況を確認し、受領印や配達完了の記録を保存します
- 不備で戻ってきた場合や届かない場合に備え、送付日時・追跡番号・控えを手元に残してください
実際の手順(簡潔)
- 書類をチェックリストで確認する
- 必要なら封筒に「書留」で発送する
- 追跡番号を控え、控えは必ず保存する
- 到着確認が取れたら社内で処理済みと記録する
書類の形式や提出先は変わることがあるため、不安があるときは事前に税務署へ電話で確認してください。


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