はじめに
この章では、源泉徴収票を印刷する際に知っておきたい基本事項をわかりやすく説明します。本書は、雇用主や経理担当者、個人事業主など、源泉徴収票を作成・印刷するすべての方を想定しています。
目的と範囲
- 印刷サイズや用紙の選び方を具体的に示します。主にA5とA4の二つのサイズに焦点を当てます。
- 印刷設定やプリンタの注意点、専用用紙の購入先、使用ソフトの対応確認まで網羅します。
なぜ重要か
正しいサイズと用紙を使うと、書類が読みやすくなり提出先の要件にも合いやすくなります。例えば、A5で複数枚を綴じる場合とA4で1枚で送る場合ではレイアウトや封入方法が変わります。
本書の使い方
- 次章以降で具体的な手順を順を追って説明します。まずは自分が使う用紙サイズを確認してから、印刷設定へ進んでください。
源泉徴収票の印刷サイズの種類と選択肢
概要
源泉徴収票は印刷サイズに複数の選択肢があります。従来はA5サイズが標準でしたが、リビジョン6.21以降はA4用紙への印刷も可能になりました。企業の使用する業務ソフトで対応サイズが異なるため、まずは仕様を確認してください。
A5サイズ(従来)
- 特徴: 個人向けに扱いやすい小型サイズで、手渡しや封筒に入れやすいです。
- 利点: 多くの専用用紙や封筒が市販されています。
- 注意点: 一度に大量印刷する場合は手間がかかることがあります。
A4サイズ(リビジョン6.21以降)
- 特徴: A4用紙にそのまま印刷でき、1枚で管理しやすいレイアウトになります。
- 利点: バッチ印刷や保管が簡単です。用紙切り替えの手間が減ります。
- 注意点: ソフトによっては罫線位置や余白調整が必要です。
各サイズのメリット・注意点
- 用紙・封入コスト、保管方法、配布方法で有利不利が分かれます。
- 一部ソフトはA5のみ対応、A4出力でもレイアウト崩れが出る場合があります。
選び方のポイント
- 使用ソフトの対応状況を確認する。2. 配布方法(手渡し・郵送)を考慮する。3. 保管・帳票管理の都合で決める。
対処法(ソフトが対応していない場合)
- A4に印刷したいがソフトがA5のみ対応なら、印刷設定で「2アップ(二分割)」や拡大縮小を試すか、外部の帳票変換ツール・テンプレートを利用してください。プリント前に必ずテスト印刷を行って位置を確認してください。
A5サイズでの印刷方法
概要
A5サイズの源泉徴収票は、A4用紙に縦向きで2部並べて印刷し、中央のミシン目で切り離す方法が一般的です。A41枚から税務署用と従業員用を同時に作れるため効率的です。
用意するもの
- A4用紙(ミシン目入りがあれば便利)
- プリンタ(用紙を縦にセットできるもの)
- ハサミまたは裁断機
印刷手順(簡単な流れ)
- 作成ソフトで用紙サイズをA5に設定し、2ページ分をA41枚に配置します(テンプレートがあれば便利です)。
- プリンタにA4を縦向きでセットします。トレイの向きに注意してください。
- プリンタのページ設定で縮小拡大を「100%」にし、ページの分割や「2ページを1枚に」などの設定を選びます。
- テスト印刷を1枚行い、レイアウトや文字切れがないか確認します。
- 本印刷を実行し、中央のミシン目に沿って切り離します。
注意点
- 印刷位置がずれる場合は余白を調整してください。プリンタによっては上下左右に数ミリの非印刷領域があります。\n- 用紙の厚さやインク設定で裏写りが起きることがあります。必要なら両面印刷は避けてください。
A4サイズでの印刷方法
準備
印刷前に用紙をA4に合わせ、源泉徴収票のレイアウトがA4用紙用であることを確認します。テンプレートがA4でないと位置ずれが起こります。
プリンタの設定
- 用紙サイズを「A4」に設定します。
- 印刷の向きを「横(横向き)」にします。
- 印刷時の拡大縮小設定は「100%」や「実際のサイズ」にして、”用紙に合わせる”系の自動調整はオフにします。
位置調整(0.1ミリ単位)
- プリンタドライバの「位置調整」や「微調整」ボタンを使います。多くの機種でX/Y方向を0.1mm単位で移動できます。
- 最初は中央付近から始め、微調整を繰り返して用紙上の項目が正しい位置に来るまで調整します。
- 調整は少しずつ行い、毎回テスト印刷で確認します。
給紙方法と用紙セット
- プリンタ名と給紙トレイ(手差し/後トレイなど)を確認します。手差しで入れると位置がずれにくい場合があります。
- 特殊な厚紙や専用用紙を使うときは、給紙方式を手動に切り替えてください。
テスト印刷と最終印刷
- まず白紙で位置確認のためのテスト印刷を行います。必要ならトナーやインクの出具合も確認します。
- 問題なければ本印刷を行います。複数枚を一度に印刷する場合は、1枚ずつ確認しながら行うと失敗を減らせます。
失敗しやすいポイントと対策
- 自動拡大縮小が入っていると合わないのでオフにします。
- トレイや用紙のセットが甘いと斜めに給紙されます。しっかり合わせてセットしてください。
- どうしても合わないときはプリンタのマニュアルを確認するか、別のプリンタで試してください。
印刷前の重要な確認事項
テスト印刷を必ず行う
専用用紙を無駄にしないため、まず白紙や不要なコピー用紙でテスト印刷を行ってください。実際に印刷して位置(天地・左右)や切れ・ずれがないかを確認します。例えば、源泉徴収票の枠線や文字が用紙の外にはみ出していないかを見ます。
プリンター設定の確認
- 用紙サイズを正しく選択(A4/A5など)。
- 用紙の向き(縦・横)を合わせる。
- 拡大縮小は「100%」または「用紙サイズに合わせない」を指定する。
- 両面印刷を使う場合は給紙位置と順序を確認する。
用紙とインクの状態確認
- 専用用紙の給紙方向を把握する。表裏やミシン目の向きなどをメモしておくと便利です。
- インク・トナー残量を確認し、色落ちやかすれがないかテスト印刷で確認します。
最終チェック手順(例)
- PDFの印刷プレビューを確認し、配置が紙面内に収まっているか確認します。
- 白紙でテスト印刷を1〜2部行い、実寸で重ね合わせて位置を確認します。
- 問題がなければ専用用紙で本印刷を行う。問題があれば設定を調整して再テストします。
以上を守ることで用紙の無駄を減らし、正確な印字を確保できます。必要なら印刷前にもう一度設定を見直してください。
専用用紙の購入オプション
市場にある主なタイプ
年末調整用の専用用紙は、ページプリンタ対応の源泉徴収票セットとして市販されています。多くはA4横型で中央にミシン目が入り、切り離すとA5サイズになります。印字品質や用紙の厚さが異なる製品があるため、用途に合わせて選べます。
入数と企業規模に応じた選び方
入数は一般的に30名分、50名分、100名分などがあり、社内の従業員数や配布頻度で判断します。少人数の事業所は30〜50名分を選ぶと無駄が少なく、大企業や複数拠点がある場合は100名分をまとめて購入するとコストを抑えられます。
購入先の例とチェックポイント
購入先はオフィス用品店、OA機器販売、オンラインショップなどが便利です。買う前に「ページプリンタ対応」「ミシン目位置」「1セットあたりの枚数」「返品・納期」を確認してください。紙詰まりや印字ずれを避けるため、プリンタの給紙方法との相性もチェックすると安心です。
小さな工夫
初回はサンプルや少量パックでテスト印刷すると失敗を防げます。保管は湿気を避け、箱のまま平置きすると用紙の反りを防げます。
ソフトウェア対応の確認
使用する給与計算ソフトやバックオフィス業務ソフトは、源泉徴収票のサイズや書式ごとに対応が異なります。ここでは、導入前と印刷前に確認しておくべきポイントと具体的な手順を分かりやすく説明します。
対応項目のチェックリスト
- 対応用紙サイズ(A4・A5・専用用紙)
- 出力形式(PDF出力・直接印刷・CSVエクスポート)
- 帳票テンプレートの有無と種類
- 余白・印字位置の微調整機能
- プリンタードライバーとの互換性
確認手順(簡単な流れ)
- マニュアルやFAQで推奨設定を確認します。ソフトのバージョンも控えてください。
- 設定画面で用紙サイズとテンプレートを選び、プレビューでレイアウトを確認します。
- 必ずテスト印刷を行い、印字の切れや位置ずれを確認します。
テンプレートが合わない場合の対処
テンプレートをカスタマイズできる場合は、左右や上下の余白、フォントサイズを調整します。カスタム不可のソフトでは、専用用紙を用いるか、出力をPDFにして別ソフトで位置を調整すると実用的です。
問題が起きたときの情報準備
サポートに問い合わせる際は、ソフト名とバージョン、使用する用紙サイズ、プリンター機種、問題のスクリーンショットやテスト印刷結果を用意すると話が早く進みます。
以上を確認すると、書式選択の誤りや印刷トラブルを減らせます。丁寧に設定を見直してください。


コメント