はじめに
この章では、本ドキュメントの目的と使い方、対象となる読者についてわかりやすく説明します。退職を決めた際に、LINEで上司や店長へ連絡する場面は増えています。手軽で速い一方、誤解やトラブルにつながることもあります。本書はそのリスクを減らし、失礼のない伝え方を学ぶためのガイドです。
目的
- LINEで退職を伝える際の基本的な注意点を整理します。
- 具体的な文例を多数紹介し、状況に応じた言い回しが分かるようにします。
対象読者
- 初めて退職連絡をLINEで行う方
- 店長や上司、同僚への伝え方に不安がある方
- アルバイトやパート、正社員など勤務形態に関係なく利用できます
本書の使い方
- 第2章以降で基本マナーや文例を順に紹介します。状況に合う章を参照して、文例をそのまま使うか、自分の言葉に少しだけ変えてご活用ください。
注意点: LINEは便利ですが、重要な手続きや正式な書面が必要な場合は、会社の規程に従い口頭や書面での報告も行ってください。
LINEでの退職連絡の基本と注意点
1. 使うべき場面
本来は対面で伝えるべきですが、急な事情や遠隔地で直接会えない場合はLINEが実用的です。まず対面で話す予定を作れないか検討してください。どうしても難しいときに限りLINEを使います。
2. 送る前の確認事項
・就業規則や雇用契約での連絡手段を確認する
・直属の上司にまず連絡するのが基本
・送信時間は業務時間内、深夜や休日は避ける
3. 送る際の文章の基本
短く明確に辞意を伝え、感謝の言葉を添える。表情や声が伝わらないため、誠意が伝わる文面を心掛けます。退職日や理由は簡潔にし、詳細は別途対面で話す旨を伝えます。
4. 送信後の対応
受信確認が取れたら直接面談の日時を調整します。業務の引き継ぎや書面での正式な退職届の提出も忘れずに行います。記録のためメールでも同内容を送ると安心です。
LINE退職連絡のマナーとポイント
基本の姿勢
退職を伝えるときは、感情的にならず冷静に伝えます。短く明確に意思を示し、相手への感謝を忘れないようにします。
LINEで連絡する理由とお詫び
やむを得ずLINEで連絡する場合は、まず理由を簡単に説明してお詫びします(例:緊急の体調不良で来社が難しいため等)。対面や電話での報告が難しいことを明記すると相手が理解しやすくなります。
退職の意思ははっきりと
「退職したい」「辞めさせてください」など、曖昧な表現は避けます。辞意が固いことを丁寧に伝え、相談の余地があるかどうかも明確にします。
退職日・手続きの確認を求める
希望する退職日を示しつつ、会社の指定する手続きや引き継ぎについて指示をお願いしましょう。具体的な期日や引き継ぎ方法を確認するとスムーズです。
退職理由は簡潔に
個人的な事情や体調など、簡潔に伝えます。詳細な事情は必要に応じて面談で伝える旨を添えると良いです。
マナー的なポイント
- 送り先は直属の上司が基本。指示がある場合は人事にも報告します。
- 感謝の言葉と協力の意思を短く添える。
- 感情的な文や詳細な愚痴は避ける。
- 重要なやり取りは記録として保存しておく。
以上を踏まえ、相手に配慮した簡潔で誠実な文面を心がけてください。
丁寧な退職連絡の例文
■ はじめに
上司や店長にLINEで退職を伝えるときは、短く丁寧に伝えます。まずは要点を述べ、感謝を伝え、最後に直接のご挨拶をする旨を添えます。
上司に送る例文
例1
「突然のご連絡で失礼します。○月○日をもちまして退職させていただきたく存じます。これまでご指導いただきありがとうございました。別途ご挨拶の機会をいただければ幸いです。」
例2(理由を簡潔に)
「お疲れ様です。私事で恐縮ですが、家庭の事情により○月○日付で退職させていただきます。短い間でしたがありがとうございました。改めて直接ご挨拶に伺います。」
店長に送る例文
「いつもお世話になっております。○月○日をもちまして退職いたします。これまでのご指導に感謝しております。引継ぎについては指示に従いますのでご指導ください。」
同僚向けの例文(カジュアル寄り)
「急な報告で驚かせてしまいすみません。○月○日で退職します。今までありがとう。最後に改めて挨拶させてください。」
■ 使い方のポイント
・敬称は相手に合わせる。・理由は簡潔に。詳しくは直接伝える旨を添える。・感謝を忘れない。
体調不良を理由とした退職連絡の例文
はじめに
体調不良を理由に退職を伝えるときは、相手への配慮と必要な情報の明確化が大切です。直接会えない場合はLINEでの報告も許容されますが、誠意ある文面を心がけましょう。
上司向け(正式・丁寧)
突然のご連絡で失礼します。ここ数週間体調が優れず、医師と相談した結果、治療に専念する必要があるため、○月○日をもちまして退職させていただきたく存じます。本来なら直接お話しするべきところをLINEでのご報告となり申し訳ありません。引き継ぎや手続きについてご指示いただけますと助かります。何卒よろしくお願いいたします。
同僚向け(ややカジュアル)
皆さんへ。お疲れ様です。私事で恐縮ですが、体調不良のため○月○日をもって退職することになりました。急な報告でご迷惑をおかけして申し訳ありません。引き継ぎは〇〇さんにお願いする予定です。短い間でしたがお世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします。
アルバイト先・店長向け(要点を絞る)
店長へ。お疲れ様です。体調不良により長期の休養が必要と医師に言われました。誠に勝手ながら○月○日付で退職をお願いしたく存じます。急ぎの手続きや出勤調整があればご連絡ください。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
急な欠勤や即日退職の連絡例
突然のご連絡で恐縮ですが、本日体調が急変し出勤が困難なため、本日よりお休みをいただきます。必要であれば医師の診断書を提出しますのでご指示ください。
書き方の注意点
- 病名や個人情報は無理に詳述しない。必要なら医師の診断書で対応する。
- できる範囲の引き継ぎ案を示すと相手が動きやすくなる。
- 直接話せる日時や電話での連絡を提案すると誠意が伝わる。
上記を参考に、状況に合わせて言葉を調整してください。
引き止められた場合の対応例文
上司に強く引き止められたときは、感情的にならず、退職の意思を明確に伝えることが大切です。以下では、対応のポイントと状況別の例文を丁寧に紹介します。
対応のポイント
- まず感謝を伝える: お世話になったことを短く述べます。
- 理由を簡潔に示す: 長文にせず、辞める理由を明確にします。
- 代替案を提示する: 引き継ぎや最終出勤日を提示すると印象がよくなります。
- LINEで議論を長引かせない: 深刻な話は対面や電話を提案します。
例文1: しっかり断る(進学や転職など明確な理由がある場合)
退職の件ですが、進学の準備(または新しい職場の都合)があり、退職は避けられない状況です。○月○日までの勤務でお願いできればと思います。長い間お世話になり、ありがとうございました。ご迷惑をおかけしますが、引き継ぎは責任をもって対応します。
例文2: 体調・家庭の事情でどうしても辞める場合
ご心配をおかけして申し訳ありません。家庭の事情(または体調不良)により、現職を続けることが難しいため退職させていただきたいです。最終出勤日は○月○日を希望します。引き継ぎは可能な限り進めますので、ご理解いただけますと幸いです。
例文3: 引き留めに対して落ち着いて対応する(対面を提案)
ご提案いただきありがとうございます。ただ、慎重に考えた結果、退職の意志は変わりません。詳しいお話は直接お会いしてご説明したいです。お時間をいただけますでしょうか。引き継ぎについては○月○日までにまとめます。
例文4: 妥協案を示す(最終出勤日の延長を提案)
お声がけ感謝します。退職の意思は変わりませんが、〇週間だけ勤務を延ばして引き継ぎを行うことは可能です。最終出勤日は○月○日に設定していただければ調整します。ご検討ください。
例文5: 精神的な理由で退職する場合の短い断り文
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、体調面(または精神的な理由)によりこのまま続けるのは難しいため、退職を決断しました。○月○日が最終出勤日となります。ご理解のほどお願いいたします。
どの例文でも、必要以上に長く言い訳をしないことが大切です。落ち着いて、感謝と今後の対応を明確に伝えてください。
学生向けの退職連絡例文
学生(高校生・大学生)がLINEで退職を伝える際のポイントと例文を紹介します。学業や部活で忙しくなる場合、感謝を伝えつつ退職日と引き継ぎの意思を明確にしましょう。
注意点
- できれば直接伝えるのが望ましいですが、LINEで伝える場合は丁寧な言葉を使います。
- 退職希望日をはっきり書く。引き継ぎの協力を申し出る。短くても感謝を述べる。
例文(高校生・学業理由)
お疲れ様です。○○(名前)です。学校の都合で学業が忙しくなり、○月○日をもって退職させていただきたいです。短い間でしたが、教えていただきありがとうございました。引き継ぎやシフトについて指示があれば対応します。お手すきのときに直接お礼を言わせてください。
例文(大学生・試験や留学準備)
お世話になっています。○○です。今後の学業(試験/留学準備)のため、○月○日で退職させてください。これまでの経験は自分の財産です。引き継ぎの件はご指示ください。
例文(短期バイト・シフト調整が難しい場合)
お疲れ様です。○○です。シフト調整が難しくなったため、○月○日で退職させていただきたいです。急で申し訳ありません。可能な範囲で引き継ぎを行いますので、ご指示をお願いします。
送信のタイミングと一言
勤務時間外の落ち着いた時間を選びます。急ぎの場合は早めに伝え、面談ができる日時を提案すると印象が良くなります。
家庭の事情を理由とした退職連絡例文
概要
家庭の事情で退職する場合は、理由の詳細を過度に書かず、簡潔かつ誠実に伝えます。相手の業務への影響を考え、引き継ぎや最終出勤日の予定も伝えると印象が良くなります。
伝え方のポイント
- 私的な理由なので具体的な詳細は省きます。信頼関係がある相手には簡単な説明を添えてください。
- 退職希望日や引き継ぎの意向を明記します。業務への配慮を示すと丁寧です。
- 感謝の言葉を忘れずに。急な連絡になったことは詫びます。
上司向け(丁寧な例)
お疲れ様です。一身上の都合により、○月○日をもって退職させていただきたくご連絡いたします。家庭の事情により継続が難しくなりました。急なご報告でご迷惑をおかけし申し訳ありません。引き継ぎについては調整いたしますので、ご指示をいただければ助かります。短い間でしたがお世話になり、ありがとうございました。
同僚向け(もう少しカジュアルな例)
いつもありがとう。家庭の事情で退職することになり、○月○日が最終出勤日になります。急なことで驚かせてしまい申し訳ないです。引き継ぎや作業の整理は進めますので、必要があれば教えてください。今まで本当にお世話になりました。
グループLINEでの退職あいさつ例文
概要
複数の同僚に一度に伝えるときの例文とマナーを紹介します。グループでは簡潔に伝え、詳細や個別の感謝は別途連絡すると丁寧です。
送り方のポイント
- 時間帯は勤務時間外や昼休みの終わりなど、相手の負担が少ない時間を選びます。
- 要点を先に書き、感謝の言葉は忘れずに記します。
- 退職理由は簡潔に。長い私情は個別に伝えます。
- 上司や関係者には事前に直接伝えておきます。
例文(改まった表現)
皆さんお疲れさまです。○月○日をもって退職することになりました。急なご報告で申し訳ありません。これまでご指導・ご協力いただき本当にありがとうございました。個別にお礼をお伝えする方には追って連絡します。
例文(カジュアル・アルバイト向け)
皆さんこんにちは。○月○日で辞めることになりました。急な話でびっくりさせてすみません。忙しい中サポートしてくれてありがとう!別途声をかけます。
短い一言例
お世話になりました。○月○日で退職します。ありがとうございました。
注意点
グループだけで全てを済ませず、特にお世話になった人には個別で連絡します。退職後にグループを抜けるタイミングは周囲の状況を見て決めます。


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