はじめに
源泉徴収票とは
源泉徴収票は、会社や年金を支払う団体が発行する「その人に支払った金額」と「差し引かれた税金」を示す重要な書類です。確定申告や年末調整、カードローンや賃貸契約の収入証明などで使います。
誰が受け取るか
主に次の立場の人が受け取ります。
– 会社員・アルバイト:勤務先が発行します。
– 年金受給者:年金を支払う機関が発行します。
– 雇われていた期間がある人:退職時にもらえることがあります。
受け取り方が異なる理由
支払う側(会社や年金機関)が書類を作成して渡す仕組みです。勤務形態や支払元が違うと、発行のタイミングや方法(紙での交付、電子交付)も変わります。
本書の目的
以降の章では、会社員・アルバイトの場合、会社からもらえないときの対処法、年金の場合の受け取り方、どのパターンでも押さえておくべきポイントを、具体例を交えてわかりやすく解説します。まずは自分がどの立場に当てはまるかを確認してください。
会社員・アルバイトの場合
受け取り時期と方法
年末調整が終わると、勤務先の総務・人事・経理が源泉徴収票を用意します。多くの会社は12月末から翌年1月ごろに配布します。受け取り方法は手渡し、郵送、社内の給与・人事システムからのダウンロードなどがあります。例えば、手渡しで受け取る会社もあれば、WebでPDFをダウンロードする会社もあります。
転職した場合の対応
転職先ではなく前の勤務先が、その年に支払った給与分の源泉徴収票を発行します。転職したら、前の会社の総務や人事に発行を依頼してください。住所が変わっている場合は郵送先を伝え、Web配布ならログイン情報の確認をしてください。
紛失した場合の対応
紛失したときは、勤務先に再発行を依頼します。再発行は一般的に可能です。依頼するときは氏名、社員番号、発行年などを伝えると手続きが早く進みます。急ぐ場合はその旨を伝えると対応してもらいやすいです。
受け取り時の注意点
受け取ったら、氏名・住所・支払金額・源泉徴収税額に誤りがないか確認してください。誤りがあれば速やかに勤務先に連絡しましょう。書類は確定申告や控除の手続きで必要になるため、大切に保管してください。
会社がくれない・連絡できない場合
前提
源泉徴収票は会社に交付義務があります。まずは会社側に正式に請求することが重要です。
1. 書面またはメールで正式に請求する
- 内容証明郵便やメール(送信履歴を保存)で「源泉徴収票の交付」を依頼します。具体的には受取人、氏名、交付を求める年、返信期日(例:2週間)を明記します。例文:
「20XX年分の源泉徴収票の交付をお願いします。メール/郵送いずれかで、〇月〇日までにご対応ください。」 - 送付記録とコピーを必ず残してください。
2. それでも発行されない場合の対応
- 管轄の税務署に相談します。会社の所在地を管轄する税務署に連絡すると、源泉徴収票不交付の届出書(不交付届)について案内してくれます。
- 不交付届に会社名、所在地、本人の氏名、交付を求めた経緯(送付記録の写し)などを添付します。税務署は会社に対して是正を促すなどの対応をします。
3. 連絡が取れない・会社所在地が不明な場合
- 登記簿や履歴事項全部証明書で所在地や代表者を確認します。法務局やインターネットの官報で調べられます。
- 所在不明や倒産などで会社対応が難しい場合は、税務署や労働基準監督署に相談してください。確定申告で源泉徴収票がなくても所得を申告できますので、税務署の指示に従って手続きを進めてください。
注意点
- 請求の記録を残すことが解決の近道です。確定申告や年金手続きに間に合うよう、早めに動きましょう。
年金の源泉徴収票が欲しい場合
公的年金の源泉徴収票とは
公的年金の源泉徴収票は、年金を支払った機関(日本年金機構)が毎年発行する税務用の書類です。前年に受け取った年金額や源泉徴収された所得税額が記載され、確定申告や年末調整で使います。通常は年明けに自宅へ自動送付されます。
まず確認すること
- 送付時期は年ごとに少し前後します。まず郵便受けや家族に届いていないか確認してください。
- ねんきんネットにログインできる方は、電子的に確認できる場合があります。
ねんきんネットで再交付を申請する方法
- ねんきんネットにログインします。登録していない場合は事前に登録が必要です。
- マイページや各種手続きのメニューから「源泉徴収票の再交付」や類似の申請を選びます。
- 対象の年分や送付先住所など必要事項を入力して送信します。
- 本人確認のために基礎年金番号などの情報を求められることがあります。
ねんきんダイヤルへ電話して依頼する方法
- ねんきんダイヤルに電話し、源泉徴収票の再交付を希望する旨を伝えます。
- オペレーターの案内に従い、氏名・生年月日・基礎年金番号・住所などを伝えて本人確認します。
- 再交付には数日から数週間かかることがあります。到着までの目安はその場で確認してください。
届かない・急ぎの場合の対応
- 再交付が間に合わないときは、税務署や税理士に相談して代替手続きの助言を受けてください。
- ねんきんネットの画面を印刷して一時的に使える場合もありますが、正式な書類の要否は税務上の扱いで判断してください。
必要な情報を手元に用意すると手続きがスムーズです。わからない点はねんきんダイヤルで確認してください。
どのパターンでも共通のポイント
- 発行元をまず確認しましょう
源泉徴収票は給与や報酬を支払った側が発行します。会社員・アルバイトなら勤務先、年金なら日本年金機構が発行元です。発行元が分かれば、どこに連絡すべきか明確になります。
- 受け取り時期は余裕を持って行動してください
確定申告や住宅ローンの審査など、提出時期が決まっている手続きは多いです。必要になる1か月以上前には発行元に連絡し、余裕を持って受け取りましょう。急ぐ場合はその旨を伝えると手続きが早まることがあります。
- 連絡方法と準備する情報
電話・メール・窓口のいずれかで申請できます。本人確認のため氏名、生年月日、社員番号(あれば)、受取先住所・連絡先を用意してください。会社に依頼する場合は部署名や勤務期間も伝えるとスムーズです。
- 再発行や紛失時の対応
紛失したら早めに発行元へ再発行を依頼してください。再発行に日数がかかることを見越して、申請は早めに行いましょう。場合によっては別の書類(給与明細や支払証明)で代替できることもあります。
- 保管と提出時の注意点
原本が必要な場面が多いので、届いたらコピーを取って原本は安全に保管してください。提出前に金額や氏名などに誤りがないか必ず確認し、間違いがあれば速やかに発行元へ訂正を依頼してください。


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