退職理由によって、失業保険(基本手当)の扱いが変わることをご存じでしょうか。
「自己都合退職」と「会社都合退職」では、もらえる時期・支給日数・金額の考え方に明確な違いがあります。
ここでは、失業保険の仕組みを初めて調べる方でも迷わないように、自己都合退職と会社都合退職の違いを、金額と扱いの面からやさしく整理します。
自己都合退職とは?失業保険での扱い

自己都合退職とは、本人の意思で会社を辞めたケースを指します。
自己都合退職の主な例
・転職のために退職した
・家庭の事情で退職した
・仕事内容や職場環境が合わず退職した
失業保険での扱い
自己都合退職の場合、失業保険には給付制限があります。
・待期期間:7日間
・給付制限:原則2か月(※制度改正により短縮される場合あり)
・支給開始:待期+給付制限後
つまり、すぐには失業保険が支給されません。
会社都合退職とは?失業保険での扱い
会社都合退職とは、会社側の事情によって退職せざるを得なかったケースです。
会社都合退職の主な例
・解雇(整理解雇・雇止め)
・倒産・事業縮小
・長時間労働や賃金未払いなど、やむを得ない事情
失業保険での扱い
失業保険は金額だけでなく、「いつから支給されるのか」も重要なポイントです。特に自己都合退職と会社都合退職では、支給開始までの流れが異なるため、全体像を確認しておくと安心です。
▶ 失業保険はいつもらえる?初回認定日から振込までの流れを解説
失業保険の申請から初回認定日、実際に振り込まれるまでの流れを、時系列でわかりやすく解説しています。
会社都合退職の場合、給付制限はありません。
・待期期間:7日間のみ
・支給開始:待期期間終了後すぐ
早く失業保険を受け取れるのが大きな特徴です。
失業保険の「金額」に違いはある?
基本手当日額の計算方法は同じ
自己都合退職と会社都合退職では、「もらえる金額が違うのでは?」と不安に感じる方も多いと思います。まずは、失業保険の金額そのものがどのように決まるのかを押さえておくと、違いが整理しやすくなります。
▶ 失業保険の金額はどう決まる?基本手当日額の計算方法をやさしく解説
失業保険の1日あたりの支給額(基本手当日額)が、退職前の賃金や年齢によってどのように計算されるのかを、初心者向けに整理しています。
実は、自己都合退職と会社都合退職で、1日あたりの金額(基本手当日額)の計算方法は同じです。
・退職前6か月の賃金
・年齢区分
これらをもとに計算されます。
違いが出るのは「支給日数」
大きな差が出るのは、もらえる日数です。
・会社都合退職:支給日数が多い
・自己都合退職:支給日数が少なめ
結果として、総支給額に差が出やすいのがポイントです。
支給日数の違いを比較
支給日数は、年齢や雇用保険の加入期間によって決まりますが、同じ条件でも以下のような差があります。
・自己都合退職:90日〜150日が中心
・会社都合退職:90日〜330日まで拡大
特に、長く働いていた方ほど、会社都合退職のほうが有利になりやすい傾向があります。
自己都合か会社都合かは誰が決める?
「これは自己都合なのか、それとも会社都合になるのか」と迷うケースも少なくありません。退職理由の判断基準を知っておくことで、後から後悔するリスクを減らせます。
▶ 離職票の退職理由は誰が決める?自己都合・会社都合の判断基準を解説
離職票に記載される退職理由がどのように決まるのか、自己都合と会社都合の判断基準や、修正を申し立てる際の考え方を整理しています。
退職理由は、離職票に記載された内容をもとにハローワークが判断します。
・会社の申告
・本人の申立て
・勤務実態の確認
形式上「自己都合」でも、実態によっては会社都合と認められるケースもあります。
自己都合でも会社都合になるケースがある
次のような事情がある場合、自己都合退職として処理されていても、会社都合に変更される可能性があります。
・長時間労働が常態化していた
・賃金未払いがあった
・ハラスメントによる退職
・事実上の解雇と判断される場合
違和感がある場合は、離職票の内容をそのまま受け入れず、ハローワークで相談することが重要です。
まとめ|失業保険は「退職理由」で大きく変わる
自己都合退職と会社都合退職の違いを整理すると、次のとおりです。
・1日あたりの金額は同じ
・支給開始時期は会社都合のほうが早い
・支給日数は会社都合のほうが多い
・総支給額に大きな差が出やすい
失業保険を正しく受け取るためには、退職理由の扱いを正確に理解することが欠かせません。
離職票を受け取ったら、必ず内容を確認し、不明点があれば早めに相談しましょう。


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