はじめに
「源泉徴収票に『丙欄適用』と書かれているけれど、これはどういう意味?」
「スキマバイトで働いたら丙欄になっていたけれど、何か手続きが必要なの?」と気になっていませんか。
短時間・短期間の仕事をしたあとに源泉徴収票を受け取り、見慣れない「丙欄適用」という記載を見つけると、通常のアルバイトと何が違うのか、税金の計算に問題がないのか不安になりますよね。
この記事では、丙欄適用の意味や適用される条件、スキマバイトの源泉徴収票に記載される理由を整理し、受け取った源泉徴収票をどう確認すればよいのかまで順を追って説明していきます。
源泉徴収票の「丙欄適用」とは?
源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されている場合、どのような意味なのか分かりにくいことがあります。
ここでは、「丙欄適用」の意味と源泉徴収票に記載される理由を説明します。
日雇賃金の源泉所得税を日額表の丙欄で計算したことを示す
「丙欄適用」とは、日雇賃金から源泉徴収する所得税を、給与所得の源泉徴収税額表にある日額表の丙欄で計算したことを示します。
一定の要件に該当する日雇賃金では、1日ごとの給与額をもとに丙欄の税額を確認し、所得税を差し引きます。
源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されるのは丙欄で税額を計算したため
源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されている場合は、勤務先が給与を支払う際に、日額表の丙欄を使って源泉所得税を計算していたことを表しています。
そのため、この記載を確認すれば、給与から差し引かれた所得税が丙欄をもとに計算されていたことが分かります。
丙欄が適用される条件
源泉所得税の丙欄は、短期間働くすべての人に一律で適用されるわけではありません。
ここでは、丙欄が適用される条件と、契約を延長した場合の注意点を説明します。
日々雇い入れられて給与を日給・時間給で受け取る場合
日々雇い入れられ、働いた日や時間に応じて日給・時間給で給与を受け取る場合は、一定の要件を満たすと日額表の丙欄が適用されます。
雇用契約が1日単位で、その日の勤務に対して給与が決まるような働き方が対象です。
2か月以内の期間を定めて雇用される場合
あらかじめ2か月以内の期間を定めて雇用され、日給や時間給などで給与を受け取る場合も、一定の要件を満たせば丙欄が適用されます。
契約を結ぶ時点で、雇用期間が2か月以内と定められていることがポイントです。
契約期間を延長して2か月を超えると丙欄を使えなくなる場合がある
当初の雇用期間が2か月以内でも、契約を延長して2か月を超えて引き続き雇用されることになった場合は、丙欄を使えなくなることがあります。
その場合は、2か月を超えることとなった日から、雇用状況に応じた税額表で源泉所得税を計算します。
スキマバイトや短期アルバイトの源泉徴収票に「丙欄適用」と記載される理由
スキマバイトや短期アルバイトの源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されるのは、1日単位や短期間の働き方が日雇賃金として扱われ、源泉所得税を丙欄で計算している場合があるためです。
ここでは、スキマバイトで丙欄が使われる理由と、同じアルバイトでも丙欄にならないケースについて説明します。
1日単位・短期間の仕事では日雇賃金に該当することがある
スキマバイトのように1日単位で雇用され、働いた日や時間に応じて給与が支払われる場合は、税法上の日雇賃金に該当することがあります。
丙欄の適用条件を満たしていれば、1日分の給与額をもとに源泉所得税が計算されるため、源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されることがあります。
同じアルバイトでも働き方によって丙欄にならないことがある
アルバイトであっても、雇用期間や給与の支払い方が条件に当てはまらなければ、丙欄が適用されるとは限りません。
短期間の勤務というだけで判断するのではなく、雇用契約の期間や給与の決め方などを確認することが大切です。
丙欄適用の場合はいくらから所得税が引かれる?
丙欄が適用される場合、「1日の給与がいくらになると所得税が引かれるのか」と気になることがあります。
ここでは、丙欄による源泉所得税の計算方法と、税額が0円になるケースについて説明します。
日額表の丙欄を使って1日ごとの給与から源泉所得税を計算する
丙欄が適用される場合は、給与所得の源泉徴収税額表にある日額表の丙欄を使い、1日ごとの給与額から源泉所得税を計算します。
社会保険料等を差し引いたあとの給与額を日額表に当てはめ、該当する税額を確認します。
給与額によっては源泉所得税が0円になる
丙欄が適用されていても、必ず所得税が差し引かれるわけではありません。
2026年分の日額表では、社会保険料等控除後の1日の給与額が9,900円未満であれば税額は0円となるため、給与額によっては源泉徴収されない場合があります。
源泉徴収票が丙欄適用だったときに確認したいこと
源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されていた場合は、そのままにせず、自分の働き方が丙欄の条件に当てはまっているか確認しましょう。
ここでは、源泉徴収票が丙欄適用だった場合に確認したいポイントを説明します。
雇用期間と給与の支払い方が丙欄の条件に合っているか確認する
源泉徴収票に「丙欄適用」と記載されていたら、まず雇用契約書や給与明細を確認しましょう。
日々雇い入れられて日給・時間給で働いていたのか、2か月以内の期間を定めて雇用されていたのかなど、実際の働き方が丙欄の条件に合っているかを確認します。
丙欄で源泉徴収された給与の年末調整や確定申告の扱いを確認する
丙欄で源泉徴収された給与は、原則として年末調整の対象になりません。
所得税の精算が必要な場合は、源泉徴収票の支払金額や源泉徴収税額を確認し、その年の給与やほかの所得などに応じて確定申告を行います。
丙欄の給与が年末調整の対象にならない場合、「確定申告はいくらから必要になるの?」と迷う方は、申告が必要になる条件も確認しておくと安心です。
▶アルバイト・副業はいくらから確定申告が必要?20万円以下の場合も解説
丙欄適用に疑問がある場合は勤務先へ確認する
「丙欄適用」の記載と実際の雇用期間や給与の支払い方が合わない場合は、給与計算を行った勤務先へ確認しましょう。
どの条件に基づいて丙欄を適用したのかを確認し、記載に誤りがある場合は源泉徴収票の訂正が必要かどうかも相談します。
源泉徴収票の記載内容に誤りが見つかった場合は、「自分で直してよいのか」「会社に再発行を依頼するのか」も確認しておきましょう。
▶源泉徴収票が間違っていたらどうする?訂正・再発行の方法を解説
まとめ
源泉徴収票の「丙欄適用」は、一定の要件を満たす日雇賃金について、日額表の丙欄を使って源泉所得税が計算されたことを示しています。
スキマバイトや短期アルバイトでも、雇用期間や給与の支払い方によっては丙欄が適用されます。
記載が気になったときは、雇用契約書や給与明細を確認してみましょう。
丙欄が適用された理由が分からない場合は、勤務先へ確認しておくと安心です。

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